天使の羽根

Act.3




 夜間入口に辿り着いた穂高は、静かに息を潜めるように院内に入っていった。

 あらかじめ高生に病室のメモを渡されていた穂高は、真っ直ぐに智子のいる病室へと足を向けた。

 ドアの前まで来ると、光の漏れる窓から察して、まだ智子が起きている事に戸惑う。

 だが、穂高は大きく深呼吸をしてから、そっとドアを開けた。
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