天使の羽根

Act.4

 
    ◇



 穂高は、大切なプレゼントを握り締めたまま、月夜ヶ橋まで来ていた。だが、見上げた空に、満月はない。

「やっぱ、今じゃ無理かも……」

 そう呟いた時だった。

「信じられるかよっ!!」

 穂高の背後から、涙声とも取れる叫びが飛んできた。

 ゆっくりと振り向いたそこには、息を切らした高志がいた。

「高志、何でここに?」

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