天使の羽根
「確かな事は、生きている者が誰かの意思を、幸せを繋いでいくしかないって……忘れちゃいけないって親父が言ってた」
穂高は小刻みに肩を揺らし、項垂れたまま顔を上げる事が出来なくなっていた。
「くそ……俺って、こんなに泣き虫じゃなかったのにさ」
そう負けん気を押し出すも、既に涙は止められない。
――繋げる。
それが、何を意味するのか、既に高生も解っているのだろう。
静かに穂高を見つめ、優しく見守っているようだった。