天使の羽根

Act.2





 呆然と玄関を見つめたまま立ち尽くし、残された穂高の肩に、高生の手が添えられた。

 その感触に双眸を閉じた穂高だったが、心を落ち着かせるようにゆっくりと深呼吸をして再び開く。

「おじさん、最後に俺と一緒に風呂でも入る?」

 思いも寄らない穂高の突然すぎる言葉に、高生は「え?」と目を丸くした。

「だって、ずっと昔から、一緒に入りたがってたじゃん」

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