天使の羽根

 穂高はそんな寂しさを言いつつも「ま、どうせ顔合わせても何言っていいかわかんねぇけど」と笑ってみせた。

 そして、穂高は一人、家を出ると、夜の空を見上げていた。

 見送ると言った高生の言葉を断り、ただ一つのプレゼントだけを手に、自分の居るべき場所へ足を向ける。

 高生に「ありがとう」の言葉を残して――。







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