天使の羽根


 高志は咄嗟に手を撥ね退けると「なんで行かせた?!」と叫んで立ち上がった。

「私は……お前が大切だから……」

 高志は強く拳を握ると、悔しそうに唇をかみしめて部屋を飛び出すと、真っ直ぐに穂高の元へ、一目散に走り続けた。


     ◇


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