天使の羽根
「俺、ここでは何も見つけられなくて毎日腑抜けてたよな、何の為に生きてるんだろうって事ばっか考えてた……でも、今は自分のやるべき事は過去にあったんだってわかって、生きてる意味見つけたんだ……過去から未来へ、幾つもの命が繋がるんだぜ、すげぇだろ」
そう言って穂高は、高志から両手を離すと、今一度、天使の羽根を目の前に翳しほほ笑むと、その手の中に強く握りしめた。
「誰かを守るために俺の命があるのなら……」
ゆっくりと高志に背を向け、穂高は空を見上げた。
「俺は守りたい……ここにある未来もお前も……そして、あずみも」