天使の羽根

Act.2


 何も口にする事なく二階の部屋に戻った穂高は、着替えもしないまま早々に布団に潜りこんだ。

 満たされぬ腹に同じく、心の中にもぽっかりと隙間が開いたような感覚に襲われ、何度も大きく寝返りを打ちながら溜息を繰り返していた。

「あ~くそ、イライラする」

 特に両親に何かを求めている訳ではないのに、どこか寂しさが拭いきれない言葉が布団の中にくぐもる。


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