天使の羽根

 穂高はハッと我に返り起き上がると、開いた先を見やる。

 そこからは、あずみがひょっこりと顔を出していた。

「何だよあずみ、勝手に入ってくんな」

「いいじゃない、いつもはそんな事言わない癖に」

 ぷっくりと頬を膨らませたあずみは穂高の傍に近づくと、ベッド脇に腰をおろす。


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