天使の羽根
穂高もその後を追い、階下まで駆け降りる。
すると、既にあずみはキッチンに向き合っていた。
「キッチン借りるね」
そう言いながら「冷蔵庫も開けるよ~」等と聞き、了承する間もなくその中を覗くと、奥の方で出番を待っていた使いかけの野菜や総菜等を、鼻歌を交えながら適当に見繕って抱えていく。
「賞味期限は……うん、大丈夫そうね」
ビールが殆どの割合を占める冷蔵庫を見られて、穂高の心には羞恥が湧き上がっていくばかりだ。