天使の羽根

「ちょ、いいって、そんな事しなくても」

 手にした残り物を奪い取り言った穂高。

 だが、気にも留めず、すぐさま奪い返した野菜をシンクに置いたあずみは、穂高の背中をリビングに向けて押した。

「いいからいいから、穂高は座ってて」

 そう言って無理矢理にソファに転がすように突き飛ばされる穂高は、唖然とするしかなかった。


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