天使の羽根

『今、家の前に着いた。早く出て来い』

 だが、その合間にも思い浮かぶのは、あずみの事だったらしく、携帯を閉じる前に、無意識にあずみのアドレスを開いてしまっている。

「誕生日……か」

 智子に言われたからではない、と自身に言い聞かせるも、ソワソワする態度は隠しきれなかった。


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