芽
第1章
◇孤独のあたし。
「優。」
あたしは、自分の名前が大嫌い。
優しくない、孤独のあたし。
そんなのに優なんてつけた親の顔が見てみたい。
あたしに親はいない。
捨てた。
一番当てはまる言葉かも知れない。
捨てられた、あたし。
----トントン
「優ちゃん?ご飯が出来たよ?」
顔を覗かせたのは、中学生の美穂。
「うん、すぐ行くね。」
施設、と言ったらいいのだろうか。
星華学園。
立派な名前。