芽
「あたしから、質問してもよろしいでしょうか?」
「どうぞ。」
「何で、あたしなんですか?もっと優秀な子はいるのに。」
加藤さんは考え込む。
「私の妻に似ているからかもしれません。」
「加藤さんの奥様・・・・・・。」
「私の妻は、18年前にいなくなりました。当時、私は仕事に忙しく妻にかまってられなかったのです。」
18年前。
長い月日が経っている。
「そして妻は、他の男と一緒に駆け落ちをしたのです。」
「ッ!?」
愛する妻をほかの男を取られる。
どういう気持ちなんだろう。