芽
「これから、よろしくお願いします。優ちゃん。」
「こちらこそ、加藤さん。」
よそよそしい二人。
「加藤さんじゃないですよ?優ちゃんも加藤なんですから。」
「あっ、そっか。」
加藤優。
簡潔でどこにでもある名前だな・・・・・・。
「着いたよ、優ちゃん。」
大きな豪邸みたいな・・・。
ハンパないな。
「お帰りなさいませ。旦那様、陸様がお帰りになられております。」
「ああ、わかった。此方が優ちゃんだ。」
「かしこまいりました、優様。これからよろしくお願いいたします。」
30代くらいのメイドさんは、優しく微笑む。
「私は、柴田と申します。」