あ
居場所
「何で今さら帰ってきたんだ!!」
顔を真っ赤にして
怒鳴り散らす私の実の父親。
昔から短気な性格で
怒るとすぐに大きな声を出す。
「ごめんなさい…」
連日泣き続けて、
精神的にも体力的にも
参ってしまっていた私の
力ない声…。
2年間同棲していた彼氏との突然の別れ。
切り出したのは私。
でもまさか、すんなり受け入れられるなんて思っていなかっただけに…そのショックは大きい。
「もうお前の居場所はない」
その言葉通り、2年ぶりに帰ってきた実家に私の部屋はなかった。
私の部屋だった場所にあるのは…物置と化した部屋。
…──2年前。
高校3年生の春、遅めの反抗期を迎えた私は…家出。
そのまま彼氏と同棲。
もちろん高校も
それと同時に中退した。
当時の私は、何もかも失って…彼氏と同棲する道を選んだ。
それから2年。
それすら失った私には、
何も残っていない。