私の身寄りは

短気な父親、ただ一人。






あぁ。

あと一人。


父親の再婚相手の女…

表面上では"お母さん"と呼んでいる。

でも本心では彼女のことを家族だと思ったことは一度もない。





仕事ばかりの父親。

ギャンブルばかりの偽の母親。


親らしいことは
何一つしてもらっていない。



もっとも。

怒るときだけは立派な親ぶっているけど…




そんなだけど
生まれてきてから家を出ていく日まで文句は言わなかった。

言い合っても理解してもらえないなら、意味ないじゃん。





そして、我慢の限界。



家出、中退、駆け落ち…



「こんな家一生戻ってこない!迷惑もかけない!だからもう私に構わないで!」
…勢いで啖呵を切って出てきた。

今まで反抗したことすらなかった私が随分思いきった行動をした。


それから2年間も連絡もなく好き勝手自由にやったあと

こうして戻ってきた。




…きっと一生かかっても許してもらえない。




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