あ
頭の中をぐるぐる回っているのは後悔。
今からでも亮ちゃんのところに戻ることは出来るけど…プライドが許さない。
クダラナイ性格だってことくらい自分が一番よく分かってる。
「ハァ……」
実家の近くを何周もぐるぐる回っている。
さすがに疲れた。
それにもう陽は落ちてきて…少し薄暗い。
どうしよう
今日どこで寝よう…
明日も仕事なのに…。
プライベートで、どんなに状況が変わっても仕事は仕事。
ショップ店員の仕事はもう1年以上続けている。
秋の夕暮れ、
少し肌寒くなってきた。
あまり人に頼るのは好きじゃないけど…。
充電が残り少ない携帯電話を開いて…
地元の友達のフォルダから一番仲のいい子の番号をダイヤルした。
『もしもーし』
電話の向こうには、久しぶりに聞く親友の声。
「あっ、愛梨(アイリ)今なにしてる?」
『家でひましてる!えっもしかして遊ぼう的な?来て〜ひまだから!』
誘うまでもなかった。
愛梨が暇人で良かった。
実家から愛梨の家までは歩いて10分くらい。
小さいときからよく遊んでいたから、この道も通りなれていてなんだか懐かしい。