恋する一歩手前
わいわいと下駄箱で私達は話をしていると
「んじゃ、あたしら街行くから」
悠莉がそう切り出したことで
会話は必然と終了となり
ばいばいと手を振りながら
由良達と別れた。
「あはは、久しぶりに話したよ!
綾乃、ビックリしちゃったりした?」
クリクリと瞳をさせて問いかけてくる。
「ううん、吃驚してないよ
織と由良って面白い人だね。」
ふふと笑いながらさっきまで
話していた2人の顔を思い出す。
「でしょ?織と由良とは
幼馴染みだから結構な付き合いなんだー
もう、高校まで一緒とか腐れ縁だね。」
何て言いながらも嬉しそうだ。
「2人の事教えて?」
私は、ふふと笑いながら悠莉に聞くと
ぱぁーっと顔が明るくなり
「うん、いいよ!」
と延々とバスの中でも街へ向かって行く
電車の中でも話をしてくれた。
けれど、よく聞いていると
『織ね、織が、織の』と織の話ばかりだ。
私的には由良の話が聞きたいというか‥
私はひょっとして、と思い
頬が興奮のあまり紅潮している
悠莉に問い掛けてみる。