恋する一歩手前
「ねぇ、悠莉
由良って彼女居たりする?」
彼女が居たら迷惑だろうからと思い
真剣にプレゼントを由良の為に
選んでいる悠莉に聞いてみた。
「ふぇ?由良は彼女いない筈だけど?」
「そっかぁ‥」
そうなんだ、由良は彼女いないんだ‥
由良と付き合いの長い悠莉が言うんだから
あってる筈。
彼女居ないならプレゼント買おうかしら。
そう思った私の心の中にある
小さく萎んでいた風船が
膨らみ始めているとは気付かずにいた。