恋する一歩手前



柄にもなくそわそわしてしまっている。


それを周りに悟られないように
平静を装っている、が

内心は私ではないぐらいに可笑しい。



『嗚呼、誰か
私に精神安定剤を下さい。』

などと言い回ってしまいそう。


そんなことは言ってしまったら
頭の可笑しい子だと思われてしまう。

それだけは避けたい。


頭なんか可笑しくない。

けど、心臓は可笑しいかもね。


こんなに心臓が体内で乱舞するなんて
前代未聞だわ。


この気持ちに気付かないように
目を背けなければ‥


さもなくば、知ることになってしまう

知りたくもない、この気持ちの名を。





時間は刻々と過ぎる。

由良へのプレゼントは、
悠莉は放課後に渡すということなので
私も悠莉と一緒に渡すことになった。






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