恋する一歩手前

貴方ノ手




キーンコーンカンコーン‥‥――――――


あ、チャイムが鳴った。


転校して1週間が過ぎようとしていた。

時間が流れるのは早い。
とても早い。


6限目が終了し
SHRがあの臆病な担任が手短に済ました。


兎に角びくびくしながら教室を
退散しているのその姿にも見慣れた。


最初の頃には何故あれほどにまで
びくびくしているのかと
気にはなったけど
次第にどうでもよくなった。


私は黒板に書いてある明日の予定をみて
机の中にある明日要らない物を取り出し
綺麗に整えて鞄の中にしまう。


そうしていると悠莉が近付いてくる。

「あーやっの!一緒に帰ろっ!
それとね、お買い物に付き合って
欲しいんだけど‥駄目かなぁ?」


そんな風に可愛らしく首をかしげられたら
断れる筈もない。


「うん、いいよ。」

ふふと笑いなが返事をすれば
悠莉は目を輝かせ


「やった!綾乃だいすきー!」

何て言いながら抱き付いてくる
悠莉の頭をナデナデしながら教室から出て
下駄箱のある昇降口へと向かう。


2人して下駄箱に向かいながら
『それでねー あーで こーなの!』
という風にニコニコと話す悠莉の聞き手になり
ふふと笑いながら隣を歩く。






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