ただ、キミの隣にいたくて…
隼人SIDE
どうやら、俺を昨日家に泊まらせてくれた、東雲ゆりが、俺の初恋の女の子なんだって。
「ねえ、佐倉。お願い、ゆりにあんたがあのときの隼人ってこと言わないで欲しい。」
「え?」
「ゆりに隼人以外の男の子を好きになって欲しいの。付き合ってからならいいけど、付き合えるまでは言わないでほしい。…ってあんたみたいのがゆりと付き合えるわけないか!」
と最後には笑い飛ばした。
長谷川って本当東雲思いなんだな。
「うん、分かった。振られるかもしんないけど…な。」
「てか、あんたさゆりに惚れたのって何がきっかけ?」
「1年のとき実習室で俺が落とした消しゴム拾ってくれた時、東雲の笑顔に…ってお前何を言わすんだよ!」
「長年片思いしてらしたんですね。」
は、恥ずい…本当勘弁。俺ってなんでこんな馬鹿正直なんだろう。
「あんた、ゆりに告白しちゃいなよ。つうか、ゆりもあんたのこと気になってるみたいだし…。うん、そうしな。」
「って、お前が勝手に決めないでよ。まあ、そのそろそろ告白しようかなとは思ってたけど。」
「じゃあ、やっぱしたらしばらくは、あんたゆりにあのときの隼人って言わないで。ゆりがあんたのこと好きっていってからにして。わかった?」
「おう。分かった。」
俺、相当尻に引かれてんだな…。