ただ、キミの隣にいたくて…



東雲家に着いて、東雲とテレビをみていた。



「このひと、面白いね。」



「そうだね、最近よくテレビでてるよね。」




他愛のない会話なのにこんなにどきどきしてしまっている自分が情けない。




「そういえばさ、佐倉君って下の名前なんていうの?」



これはいけない質問だよね。

なんて答えよう…。




「隼人…。」



「え?」



「隼人…だったりする?」



どきっ…やばい、どうしよう…。




「ごめん、なんでもないよ、隼人くんって言うのはあたしの初恋の人なんだ。ほら、見てこのキーホルダーあたし、幼稚園のときに隼人くんと自分のぶんのキーホルダー作ったんだ。もちろんおそろいだよ?」




くるみのまんなかにハートが描かれたキーホルダー。


やっぱり俺が持っていたのと一緒だ。



――――――ピリリリリ



あ、俺の携帯だ。



取り出そうとしたとき…。









キーケースをおとしたことに気がつかなかった。



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