好きなのに……

あれは今から８年前。


アタシが８歳の時に初めて出逢った。




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ピーンポーン！


「はーい」



勢いよく玄関を開けるとそこには、綺麗な女の人とその人の子供であろう、アタシと同じ歳ぐらいの男の子がいた。


「こんにちは。先日隣に引っ越してきた岡野です。お母さんは居ますか？」


アタシが返事をする前にお母さんが出てきた。



「初めまして、岡野といいます。先日隣に引っ越して来ました」


「初めまして。これからお願いします。そちらの息子さんの名前は何て言うんですか？」


お母さんが聞くと男の子はにっこり笑って、


「優也です」

と答えた。


「優也くんって言うの？よろしくね。ほら、愛莉も挨拶しなさい」



お母さんに言われてしぶしぶ

「よろしく」

と呟いた。


「すいません。無愛想なもので。」


お母さんが優也のお母さんとしゃべっている。




これがアタシと優也の出逢いだったね。