好きなのに……

「優也くん。今日、裕香の家に来なーい？」



友達の千春としゃべっているとそんな声が聞こえた。


優也は優しくてかっこいいから女子からの人気がすごかった。


今までも話しかけられているのを何回も見たが、最近妙にイライラする。


この気持ちがなんなのか千春に聞いてみた。


「なんか、優也が女子としゃべってるの見るとイライラする。なんだろ？」


「愛莉。あんたバカでしょ。恋に決まってるじゃない」


「恋？まさか。アタシがするわけないでしょ」



アタシは人見知りが激しくてなかなか仲よくなれる友達が少なくてそのせいか男子としゃべることが少なかった。

だから、アタシに恋なんてって思っていた。


「イライラするってのは、嫉妬よ。優也くんが男子としゃべってるの見てもイライラしないでしょ？でも女子だとイライラする。嫉妬以外の何でもないわ」



「恋、か……」



アタシはこの日、千春のおかげで自分の気持ちに気づいた。


このとき気づいたアタシは正しかったのかな？