好きなのに……





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今から一週間ほど前の帰り道。



「うわーん」

小さい子の泣いている声がした。


声のした方をみると小さな女の子が転んで泣いていた。


すぐに駆け寄ろうとした。

すると……。


「大丈夫?あぁ、転んじゃったのか。ちょっと待って、絆創膏貼ってやるから」


あれ……?

葵先輩だよね?


「よし。もう大丈夫だ。気をつけて帰れよ」


葵先輩はそういって笑った。

葵先輩が笑うことはすごく珍しかった。


あの時、初めて見た葵先輩の笑顔はとてもかっこよかった。


私はあの笑顔を見て一瞬で葵先輩を好きになった。








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