甘く、優しく、ときには苦く
「な、なにするんだよ!?」
ギャルは、いきなり俺の唇に唇を重ねてきたんだ。
「陽菜を苦しめるために、先生を利用する。
さっきまでは、今夜の相手がほしかっただけだけど
この人は、予想外に利用価値があるみたい。」
なにか意味深な笑みを浮かべたままつぶやく。
・・・利用価値?
「絶対あたしのものにする。陽菜には渡さない。」
にやりと笑いながらそう言うと、
俺の背中に手をまわしてきた。
「ねぇ、さっきの続き、しよ?」
上目づかいで胸を押しつけてくるギャル。
「なに言ってるんだよ。
俺は仮にも医者だ。
倒れている人を放ってはおけない。
それに、君は俺のことを利用するつもりなんだろ?」
ギャルの肩を掴んで身を離す。
不機嫌そうに顔をゆがませた。