甘く、優しく、ときには苦く
「ゆくゆくは、ね。
まぁ、今日はあきらめる。
陽菜の介抱、あたしの手伝う。」
「え?」
「別に、陽菜が心配とかじゃないから。
二人きりになるのを邪魔したいだけ。」
なんだ、そういうことか。
「いや、君はもう帰りなさい。」
「どうして?先生、陽菜のこと・・・」
「そんなんじゃないよ。
ただ、もう時間が時間だ。」
そう言って、ギャルに腕時計を見せる。
「大丈夫!
もし、終電が行っちゃっても
先生が送ってくれるでしょ?」
「そうしてあげたいけどね。
俺は、鈴村さんの意識が戻るまでここを動けないんだ。」
ギャルは、少し迷っているようだ。
「・・・・わかったわ。
先生は、意識のない女をどうこうできるような男じゃないし」
「あ、あたりまえだよ!!」
「じゃあね。」
手をひらひらさせながら公園をでていった。