きらきら星変奏曲
1年目の悲劇
「……ちょっと冗談よしてよ〜」
驚いて一瞬息止めちゃったじゃんか。
てか笑えないから!
何その悪い冗談!
「…冗談じゃないんだ。ごめん、梓」
秋はもう一度、ごめんと小さな声で呟くように言って、静かにアパートから出ていった。
私、咲元梓(サキモトアズサ)は只今、放心状態である。
高校の時から好きだった秋(アキ)。
あまり話すこともなかったけど、大学があたしより格上のところに推薦で決まったも同然のことを知り、フラれる覚悟で卒業式に告白した。
OKの返事をもらってはや2年。
“別れたい”
そんな秋が突然、連絡もなしに家に来たと思ったら、そう言った。
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