♂Forcible a Prince & Innocent a Princess♀


「もともとあたしと陸斗は幼なじみだったの...。そしてある日、あたしと陸斗の親から婚約の話がでたんだ。あたしは昔から陸斗が大好きだから、すっごく嬉しかったんだ。でもね、陸斗は違ったみたいで、『こんな奴と結婚なんてできっかよ。』って.....」


そこまで話すと志津華の目には大粒の涙がたまっていた。


「うん。うん。」


あたしはただ隣にいることだけしかできなかった。


「それを聞いたらさ、泣きそうになっちゃってさ、ここで泣いちゃったら陸斗に迷惑かなって思っちゃって、『私だってこんな奴と結婚なんて。』って言っちゃったの.....」


志津華の涙は止まることなくボロボロと流れてくる。



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