100回目の告白
頭のなかは霧がかかったようにモヤモヤして晴れない。
シュンちゃん以外なにも思い出せない。
幼少から中学1にかけて、全くといっていいほどあたしの記憶はなくなっていた。
もっと何か――…
何か重要なことがあるはずだ。
「…帰ろっか…医師も意識戻ったら帰っていいって言ったし…」
俊輔は笑ってあたしに手を差し出した。
あたしと俊輔の手は繋がる。
この瞬間が好き。
俊輔は会計でお金を払った。
「…俊輔、あたし保険証もって…」
「いこ!」
サイフから保険証を出そうとしたあたしを制して病院を出た。
……俊輔……?