100回目の告白



だんだん入っていく力にあたしは思わず言った。


「…っ…い…た…」


あたしの声に気付いた俊輔は我に返ったようにぱっと手を離し、あたしの肩を一生懸命さすった。


「…っ…ごめん、凛…ごめん…」
「大丈夫だよ…」
「…俺…こんなことするつもりじゃ…」
「……わかってる」


俊輔は涙目になりながら、あたしの手をとり歩いた。



俊輔は、お父さんとお母さんに怯えてる――?



お父さんとお母さんは2ヶ月以上口も聞いていないし、顔も合わせてない。
本当に大嫌いだから。



あたしの“過去”に何があったのか。



どうして記憶がないのか。







ゆっくりと、



運命の歯車は狂いだしていた―――







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