100回目の告白



時間がたち、皿の料理も減っていく。
俊輔はあたしの皿にパンやフルーツを取り分けながら、終わりの時間を待っていた。


時計が9時ぴったりになったと同時にお母さんとお父さんは立ち上がった。




「それじゃ、失礼するわ。今日は色々楽しめたわ。たまには子どもと食事するのも、いいわね」

「………それは光栄です、お母様」



あたしは微笑んで言った。



「…凛、たまには顔をみせなさい」



お父さんはもっともらしいことをあたしに言う。


「……はい。では、また後日」


有無を言わせない笑顔にふたりは去っていった。
ふたりがいなくなると、あたしはガタッと乱暴に椅子から立ち上がり、ベンツに乗り込んだ。



「………つかれた」



ぼそっと呟くと俊輔はお疲れ様でした、と言った。





< 108 / 196 >

この作品をシェア

pagetop