100回目の告白



「へえ~!その、俊輔って人もかっこいいじゃない、おばあちゃん!」



孫は目を輝かせながら言った。



「おばあちゃんモテモテだったんだね!」
「…そんなことないわよ。わたしをほんとに愛してくれてたのは、俊輔と玲だけだもの」



メモメモ、と言いながら孫はネタ帳にわたしのはなしを事細かに書き込んでいく。



「…すこし、つかれたわ。休みましょう。お茶のおかわりいれるわね。」



わたしは一段落つくと、席をたった。
話しすぎたのか、軽く目眩がする。
キッチンにすこしもたれかかっていると、

「おい、大丈夫か」


と、旦那が駆けつけてくれる。


「何をはなしてるんだ?」



わたしは微笑みながら言った。



「……わたしと、あなたが出会った頃のことよ…」



すると旦那はハッとし、わたしを抱きしめた。
微かに震えている。


「……あいつには感謝しなければならないな」
「……ええ…」



わたしはそっと身体をはなし、ティーポットをもって孫のところへ戻った。




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