100回目の告白
俊輔は寂しそうに笑っている。
その表情からは切なさも読みとれた。
「………何がいいの!?」
「………玲なら…」
玲ならいい?
意味がわからない。
「それよりはやく行こう。運転手が怪しんでいるかもしれない」
「ちょ…俊輔…っ!」
あたしはどうしても納得が出来なくて、怒鳴った。
「強気になってみなさいよ!俺のところにこいとか言ってみなさい!」
すると、俊輔はゆっくり振り向いた。
「……玲んとこ行くな」
「………!」
「…玲と二人っきりになんな。キスもすんな。気持ち揺らぐな…それを俺が言ったらさ…お前は、どうすんの?」
「……………」
何も答えれない質問を次々にされ、自分への情けなさと苛立ちで涙がたまっていく。
「………だから言いたくなかったんだ。お前を傷付ける“強気”なんて要らないんだよ」
俊輔は、自分が一番苦しいはずなのに、あたしを気遣う。
あたしは傷つけられてなんかいない。
いつもいつも、守られていたよ。