100回目の告白
「……もう…いいんだよ…俺は…お前が幸せならそれでいいんだ…」
「……俊輔…っ」
「求めたところでお前は俺のものになるのか?…違うだろ。求めたってどうにもならない。だったら、お前が苦しくないように俺はお前を愛すから」
あたしのことは気にしなくていい。
そう言おうとしたあたしを制するように、俊輔はスッとあたしに手を伸ばし、俊輔はあたしを引き寄せた。
そして優しく、優しく、あたしの唇にキスをした。
「……………」
「……………」
触れたかどうかわからないキスをしたあと、俊輔は行こう、と言った。
校門を出ると、華恋家の車があった。
歩きながら俊輔は言う。
「…お前が…凛が傍にいるなら、俺はそれでいいんだよ」
瞬間、風が吹き、砂が舞う。
みにくい視界の中、笑うあなたは、誰より何より…大人で。
全てを悟ったような…諦めたような、そんな顔をしていた。