100回目の告白



「…室井…ですか。この間までは、俊輔…と呼んでおられましたのに」



運転手はふっと笑う。



「……は……?」
「……………っ」



俊輔は恥ずかしそうに下を向いた。



「……私たちも、お守りしたいですよ、出来るものならね」



運転手はバックミラーであたしをみた。
とても穏やかな目で。



「…凛様は、赤ん坊の頃から知っています。…俊輔くん、君よりも」



え?今、俊輔くんって…
ううん、それよりも、あたしを赤ん坊から知ってる?
どういうこと?


「……君は、守りたいんだろう。だから、止めない」


言って一瞬でいつものように戻ると、


「………お疲れ様でした。もうすぐご到着いたしますよ」


そう、一言いった。






< 127 / 196 >

この作品をシェア

pagetop