100回目の告白



ベンツを降りると、俊輔は冷たくなり、運転手は穏やかな目から冷ややかな目へ。


なんなの…?
華恋家には何があるっていうの?
俊輔も運転手も、大のおとなを怖がらせるなんて…


隠しカメラ、冷たい態度、俊輔、玲…
共通するものって、何?


「おカバンお持ちいたします」
「……ああ」
「…? お嬢様?」
「…何でもないわ。行きましょう、室井」


お屋敷のみんなが、怖がるモノ…



「……明日は土曜日ですね」


だまったあたしに気を使ったのか、俊輔がしゃべりかけてくる。


「………そうね」
「明日の予定は…」
「明日は予定があるの」


俊輔が言うまえに遮った。


「お嬢様、明日からはみっちり予定がつまっているんですよ」
「…………………」
「明日は、朝8時に起床していただきます。朝食、着替えなど身支度は9時までとなります。9時からお茶稽古。休憩をはさんで、11時からお花稽古になります。12時半に昼食」


ああ、聞いているだけで頭が痛くなりそうだ。
俊輔は手帳をペラペラとめくり、続ける。





< 128 / 196 >

この作品をシェア

pagetop