100回目の告白
バンッ
「…うるさいわね…もう少し静かに開けなさい」
あの女はメガネを外し、こちらに向いた。
「…申し訳ありません。……お母様」
あたしは完璧に微笑んだ。
カツカツとヒールを鳴らし、あの女の机まで歩いていく。
そして机を思い切り叩いた。
「……華恋家の執事に圧力をかけているのはあなたですね?」
あたしは睨み、皮肉に笑った。
お母さんは不気味に笑いだす。
「…フフフ…ンフッ…キャハハハハッ!!」
そしてしまいには化け物のように髪を乱し、肩で息をして笑い転げた。
甲高い笑い声はとても人間とは思えないほどだった。
「……………」
「キャハハハハッ!…ンンっ…いけない、わたしとしたことが…あんまり凜ちゃんが面白いこと言うんですもの…」
涙を拭きながらお母さんは言った。
「気安く呼ぶな!」
数年ぶりに呼ばれた名前はその一言で汚れてしまったような気がした。