100回目の告白

「…………凜、聞いて」


玲は優しく手をかけた。
あたしはそれを振り払う。



「………やっ…!嫌!」
「…………凜!」



玲が出した大きな声にあたしは驚き、耳をふさぐ手はずりおちていった。



「…凜…俺さー、親いないんだわ」
「…………えっ…」



なにを話すかと思ったら、そんなはなし?
さよならと思ったのは勘違いだったのかな…?



それからしばらく玲の過去をきいた。



「……で、その幼なじみの女の子が大好きで」
「………ふーん…」




玲のはなしには必ず“幼なじみの女の子”が出てきた。
その女の子が大好きだったようだ。
昔といえど、嬉しそうに恥ずかしそうに話す玲を見ていると妬いてしまった。



「………もしかしてヤキモチ妬いてる?」
「……な…!や…妬いてないわよ!全っ然!」



そんなあたしをみて玲は本当に楽しそうにクスクス笑った。





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