100回目の告白
「…………実際…華恋家の前専属執事がでしゃばるなってとこですよ…いちいちちょっかいかけてきて…迷惑だったんですよね……リアルなはなし…給料がいいからってお嬢様に執着しすぎだったので…いなくなって清々しました…」
一気に俊輔が言った。
あたしは無意識に俊輔にビンタをしていた。
「…玲は…玲は…そんな人じゃないわ!」
「…………………」
俊輔はあたしに殴られた左頬をおさえる。
唇からは真っ赤な血が出ていた。
俊輔はそれを楽しむようにぺろっと舐めると、あたしに言った。
「…“玲はそんな人じゃない”…って…お嬢様は玲の何を知っておられるのですか…」
クスクスと笑いながら俊輔はあたしに問う。
「…血液型は?家族構成は?生年月日は?……なにも知らないじゃないですか……」
「…………………!」
あたしはグッと拳を握りしめた。