100回目の告白



「凛!」
「何で!」


屋上にはしっぽをふって待っていた、目障りな玲がいた。


「何でいんの…」


あたしは深い深いため息をつきながら言った。


「ねえ、凛?」
「なに……」


言い終わらないうちにあたしは押し倒された。


「………!?」
「……怖い目にあうのは、凛だよ」


あの天使の笑顔からは想像もできない力。


「…………」
「凛は、ひとをなめすぎだよ」

あたしを見下ろしながら玲は言う。


なめすぎ?
は?
アンタがあたしの何をしってんの。




「ははっ、ねえ、あたしがこんな態度でいられる理由を教えてあげようか?」


あたしは押し倒された状態で玲に聞く。
すると玲は首をかしげた。


「うまれたときから、あたしに怖いモノなんてない。失うものもない。いい?玲」


あたしは玲から目をはなさず続ける。


「……これが…人間が堕ちた姿だよ」

「……………」



ゆっくり目を閉じる。



閉じてもあたしのなかは真っ暗なまま。
誰も何も、浮かんでこない。




これは、あたしは失うものがないってことでしょう?





< 18 / 196 >

この作品をシェア

pagetop