100回目の告白



それからだった。
凜に近づきだしたのは。


凛は冷たそうにみえるくせに、差別は一切しない。
クラスの地味な陰キャラや、デブス、眼鏡の真面目ちゃんや、みつあみのオタクマニアまで態度を変えることなく、接していた。


取り巻きに囲まれ、うんざりした顔で輪を抜けたかと思うと、教室の隅で類トモと一生懸命漫画を描くオタクに話しかけてみたり。
気まぐれな猫のようだった。


話しかけられたオタクは凛を美しいと思うだろう。
凛は屈託もなく笑うから、ほとんどの人はとりこになってしまう。


オタクには笑うくせに、取り巻きに囲まれているときは笑わない凜に、マキはどんどん興味をもった。

そして強引に近づいた。
たまにしか学校に来なかったから、学校にいるときには常に傍にいた。


だけど凛はマキに心を開いてくれなかった。


だけど突然玲という男が現れてから、凛の雰囲気はおだやかになり、たまに本当の笑顔をみせてくれるようになった。


本当に本当に嬉しかったのは、今でも覚えてる。




< 190 / 196 >

この作品をシェア

pagetop