100回目の告白



マキは、凜に救われた。
どんなに媚びを売って生きてきても慕われなかった過去。
どんなに信頼しても、裏切る友達。


いつも、いつもマキは孤独だった。
きっといつも誰かを求めてた。


気まぐれな猫のような凜。


いつも凛として、自分の意思を貫く凜。
凛もまた、孤独だったのかもしれない。


自分の外見を知り、好きだという男。
冷たくあしらっていたつもりが、また男たちに火をつけさせてしまった。

グループで固まろうとする女。
凛の権力のみに群がり、都合のいいときに寄ってきていた。


それでもマキならば、凛がいる世界に満足していただろう。


だけど、凛はそれが許せなかった。
自分を外見だけで判断する、取り巻きや女のグループ。

だから、オタクとか地味な人に笑顔を見せていたんだ。
地味な人たちは凛を特別扱いしないから。
自分と同じ視点で話をしてくれるから。
だから凛は地味な人たちと喋るのが好きだった。

だから度々、取り巻きから逃げ出し、グループから逃げ出し、地味な人たちと喋っていたのだろう。

同じ価値としてみてくれるから。


だけど、まわりはそれを許さなかったんだ…


マキは凛の本当の友達となった今、凛が思っていた気持ちが当たり前のように分かった。




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