100回目の告白
~第一章~
「なあに?おばあちゃん」
わたしはもう二十歳になる孫を呼び出していた。
孫は小説家だった。
「いいはなしを聞かせてくれるんでしょ?小説のネタにさせてね!」
孫はワクワクしながら、わたしに笑顔を向ける。
わたしはコーヒーをいれてくると、孫に渡して、本題に入った。
「……本にね…してほしいの」
「…んっ、コーヒーおいし!」
「……わたしの人生を…本にしてほしいの」
「………え…?おばあちゃんの、人生を?」
「…ええ。まずは、はなしを聞いてくれる?」
「………きくわ」
孫はコーヒーのカップをおいて、真剣にわたしを見た。
全てを、はなさなければならない。
偽りも、嘘もなし。
…大丈夫。はなせる。
「……わたしは…ウリしてたの」
「………………え?」
…ギシギシ…
ギシギシギシギシ…
男が果てる。
あたしのうえで。