100回目の告白
玲がきて一ヶ月。
「玲~…ダルイ」
「そんなことお嬢様が言ってはいけませんよ。この式を代入するのです。コツさえつかめば簡単ですよ」
いまはあたしの部屋で数学を勉強中。
となりには仕事モードのスパルタ玲。
何回やっても意味不明な式。
さっぱりわかんないんですけど?
「は?何でこうなんのよ?」
何度聞いても理解できないあたしに玲は苦笑いした。
「…一回休憩にしましょう。何かもってこさせますね」
玲は家政婦に何かをはなして、あたしの傍に戻ってきた。
玲は眼鏡をとり、ネクタイをゆるめる。
仕事モードから切り替わったしるし。
「凛?何回も説明したけど?」
「マトモに学校行ってないんだから、出来るわけないじゃない」
開きなおるあたしと困る玲。
「勉強なんてしたくないし」
あたしが言うと、少しむすっとした顔で言う玲。
「でもねえ、凛。奥様から頼まれてんの。真面目にやって?」