100回目の告白
「……だってわかんない…」
あたしはため息まじりに言った。
「教えるし、頑張ろ?とりあえず休憩しよっか。家政婦さんがケーキと紅茶もってきてくれるって♪」
あまいものが大好きな玲。
だからあまいものならなんでも食べる。
ケーキもチョコレートもパフェもプリンも…
あたしはあまいものをおいしそうに食べる玲をみるのが好きだ。
こんなおいしそうに笑顔で食べるひとはこの家にはいない。
トントン、とドアがノックされる。
玲は眼鏡をかけ、ネクタイをきっちり閉めるとドアを開けた。
「お菓子をお持ちしました」
「ありがとうございます。いただきます」
玲はお礼をいって受けとると、ドアを閉めてからお盆をあたしの窓の近くのテーブルに置いた。
今日のケーキはチョコレートケーキ。
チョコレートたっぷりかかっていて、玲が好きそうだ。
普通、専属執事も執事も“お嬢様”のお菓子やおやつ、食事は一緒に食べられないし、用意もしないが玲だけは特別。