100回目の告白
「………忘れろって言うのよ」
「おばあちゃん…」
わたしは昔のことをひとつひとつ孫にはなしていく。
「忘れない。忘れたくなかったわ…」
「うん…」
「でもね、やっぱり忘れなきゃいけなかった」
「どうして?」
玲。
もしあの頃に戻れても、
わたしは同じことをすると思うの
“お嬢様”って立場も
“執事”って立場も
すべて忘れて…一緒に逃げればよかったんだよ
だから、せめて…
わたしは忘れる努力を、するべきだったね…