100回目の告白
想う影に想われる影
忘れない。
忘れてなんてあげない。
あたしの心を奪った人。
素直に笑って泣けるあたしの大切な大切な人。
玲…
あなたがもしあたしを嫌って罵っても、やっぱりあたしはあなたがすきだと言うよ。
何回言われても…
やっぱりあたしはあなたがすきなの。
「…い…おい!凛!」
「えっ?」
「えっ?じゃねーよ。帰るぞ~ほれ、後ろ乗って」
「う…うん…」
俊輔がきてから一ヶ月がたとうとしていた。
玲が離れていって、一ヶ月。
あたしは玲のいない生活にまだ慣れていない。
玲はあたしとしゃべることも、目を合わせることさえもしてくれなくなった。
「はー…」
「なんだよ、凛。ため息つくとシワ増えるぞ」
「うるさいわねっ」
あたしは前の大きな背中をポカポカ殴った。
「いたっ、やめろ凛~」
「さっさとこぎなさいよ」
「はいはい」
俊輔は口を尖らせてペダルをこいだ。
そんな俊輔の姿がおかしくて、あたしは笑った。